ブックタイトルHoards Dairyman 2017-12

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Hoards Dairyman 2017-12

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概要

Hoards Dairyman 2017-12

この計算は複雑である。10あるFMMOのうち6つでは、PPDの値を毎月のプール価格を計算することによって求める。「プール」とは乳価の合計であり、乳量のことではない。メーカーが加工に使用する牛乳の取扱量とFMMOの等級付けに基づく価格設定によってプールの量は変わる。PPDの大部分はクラスⅠ(飲用乳)で生じる。ほとんどの場合、メーカーの加工施設が大都市圏に近いほど、その加工の地域差は大きくなり、PPDの値も高くなる。したがって、農場から牛乳が運ばれる加工施設が遠く離れていてそれが地域差の大きい地域だとPPDの値は大きくなり、長距離輸送のコストがかさんでも相殺できる。大都市圏から遠ざかるにつれて、価格はある程度まで下がる。それが価格差の一因である。また、FMMOごとにクラスIの市場規模が異なる。たとえば、フロリダ州のFMMOで利用される牛乳の平均86%はクラスIで、中西部北部ではわずか11%である。このことは支払い乳価にも影響する。一般にクラスIの利用率の高いFMMOでは、PPDを通して生産者に還元される金額も高くなるためである。南部の他の4つのFMMOでは、無脂肪乳とバター脂肪の価格を基準に、PPDを基に算定した価格と無脂肪乳価を組み合わせて生産者に乳価を支払っている。また、FMMOでの各クラスの乳価は、毎月の乳価に大きく影響することがある。クラスⅡ(ヨーグルト、カッテージチーズ、アイスクリーム)、クラスⅢ(チーズ)、クラスⅣ(バターと粉乳)の価格は毎月変動するので、生産者の受け取る乳代もそれに応じて変わる。クラスI(飲用乳)価格の上昇分はすべての農家に分配されるかクラスI価格が上がれば、全生産者に分配され、毎月のプール分の計算に組み込まれている。FMMOのプール分がないときは、生産者が出荷するクラスI(飲用乳)の乳価は最大になる。生産者乳価を決定するためのデータはどのように集められるかFMMO監査プログラムの一環として、毎月MA事務局はFMMOのプール分を納入する生産者への支払い記録を受け取る。これらの記録には、それぞれ指定生産者を持つ酪農協同組合や個別の業者(乳製品メーカーなどの加工施設)の支払い記録も含まれる。中東部FMMOの場合、この地域で集める牛乳のデータは極めて膨大で、プール分全体の90%近くを網羅している。大半のFMMOでは、その割合は75 ? 95%である。一部の地域や州で生産者乳価が発表されない理由主な要因は2つある。生産者乳価を算出するには、FMMOの下で流通する牛乳の最低75%を計算に含めなければならない。また、地域内での牛乳販売の競争が十分で、その地域独自の乳価の秘匿性が保たれねばならない。従来型の牛乳とオーガニック牛乳の価格はいずれも生産者乳価の計算に用いられるかその通り。FMMOではあらゆる牛乳について従来型かオーガニックかを問わず、それぞれの価格を用いて計算する。AMS酪農プログラムとMA事務局は、生産者乳価のデータを分析し、従来型とオーガニックそれぞれの生産者乳価を公表するのに十分なメリットとデータがあるか探っているところである。チーズの取引にも電子化の波乳製品の取引が世界中で注目を浴びている。脱脂粉乳、バター、チーズが電子取引に移行したためである。乳製品取次所、チーズ取引所、売買の声が飛び交うブースでの取引からの移行は自然な流れである。マークスティーブンソンウィスコンシン大学マディソン校の酪農政策分析部長エコノミストやウォールストリートジャーナルのような主要メディアに、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)でチーズの現物取引を行うブースが閉鎖され、スティーブンソン電子取引に移行することを報じられたときには誰もが驚いた。両紙とも5月から6月にかけて、一つの時代の終わりを報じる記事で、連日紙面を賑わせた。CMEでの取引のイメージといえば、エディ・マーフィーとダン・エイクロイド主演「Trading Places(邦題:大逆転)」に出てくるような、トレーダーの怒号飛び交う先物取引所を思い浮かべることだろう。乳製品の現物取引市場では映画ほどの大混乱は見られなかったが、オレンジや緑、青なホーズデーリィマン第371号(2017)625