ブックタイトルHoards Dairyman 2018_12

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概要

Hoards Dairyman 2018_12

a2 Milk社が台風の目に小売店での存在感が増し、乳牛のゲノム検査でもA2タンパク質を持つ乳牛が増える中、A1フリーの市場カテゴリーに消費者と農家の注目が集まっている。コーリーガイガーホーズデーリィマン編集マネージャー18年前にオーストラリアで設立されたa2Milk社(The a2 Milk Company)は、2015年に米国市場に参入した。同社がA1フリーの市場での牛乳の売買における存在感をますます高めている状況の背景を探ろうと、a2Milk社米国CEOのブレイク・ウォルトリップ氏にお話を聞いた。a2 Milk社の創業について教えてください。a2 Milk社の創立は2000年で、コーラン・マクラクランとニュージーランドの酪農家ハワード・パターソンが創立者です。マクラクランはさまざまな国の人たちが抱える健康問題を研究していました。その中で、A1とA2の乳タンパク質には顕著な差があり、消費者に大きな影響を与える可能性があることに気づきました。創立後7年間は、もっぱら科学的な裏付けを得ることとa2 Milk社主導の特許の開発に取り組んでいました。10年ほど前にようやくオーストラリアの食料品店に商品を並べることができ、認知されるようになりました。それからというもの、a2 Milk社の商品はオーストラリアで流通する飲用乳の10%を占めるまでになりました。実をいうと、オーストラリアは世界で唯一、飲用乳の売上げが伸びている乳製品市場です。私たちにとっても魅力的な市場ですから、ブランド価値を強固にすることに取り組み、消費者にもA2乳タンパク質の特長が浸透してきました。a2 Milk社はニュージーランドのフォンテラ社と提携関係にあります。公式の提携関係はそれが初めてですか。a2 Milk社が常に追求してきたのは、持続可能なビジネスモデルと、全ての家畜を最高水準の家畜福祉で扱う酪農モデルです。そのためにバリダス社と提携し、私たちにA1フリー牛乳を納入する農家はすべて認定を与えるようにしました。私たちの加工施設は世界にただ一つです。加工効率の観点から、共同製造方式を採用しています。取引農場はすべて家族経営の酪農場です。フォンテラ社については、A1フリー牛乳の分野では世界有数の実力を誇る企業だと思います。当初フォンテラ社はA2乳タンパク質には極めて懐疑的で、敬遠していました。しかし次第にA2-A2牛乳の真価に気付き始めると、積極的に取り組みたいと考えるようになりました。オーストラリアと中国では、a2 Milk社のブランドは有数の乳児用粉ミルクのブランドです。オーストラリアでは、a2 Milk社の商品を購入されたお客様の60%以上が、乳製品のアレルギーが出なかったと答えています。より良い品質を持つ粉ミルクの一つとして認知されるようになりました。しかし正直なところ、米国では乳製品アレルギーの人がたくさんいます。米国人全体の25~30%が何らかの乳製品アレルギーがあると答えているというデータもあります。それを踏まえると、飲用乳の消費が減っているのもうなずけます。米国で7,500万人近くが乳製品アレルギーだとすると、かなりの問題です。A1フリー牛乳ならきっと再び消費者の目を乳製品に向けられると思います。思うに、そのことは現在の米国においてとりわけ大きなチャンスを秘めています。消費者の目から見ても、農家の目から見てもそう思います。米国でのブランドデビューはいつですか。2015年の中頃、a2 Milk社の製品をカリフォルニア州で試験的に販売開始して市場での反応を調べ、a2 Milk社の認知度を高めることにしました。カリフォルニア州の市場で地盤固めをした後に声をかけてくれたのが、南東部最大手スーパーのパブリックスでした。a2 Milk社についての記事を目にして、商品にも興味を持ってくれたそうです。南東部での発売は2017年3月でした。また南東部では、パブリックス以外の全てのスーパーにも製品を投入しました。さらにその後は北東部にも進出し、大手スーパーでa2 Milk社製品を発売しました。そのために全米で広告を展開し、北東部では重点的にテレビCMも流しました。お気づきでしょうが、一般的な消費者にとってまったく新しいコンセプトの製品です。多くの人には違いはわかりませんし、牛乳のタンパク質が2種類あることも知りません。私たちには世界中に数百万ものお客様がいらっしゃいますが、当社に来られてこうおっしゃた方がいました。「以前は牛乳が飲めませんでしたが、a2 Milkに替えてからは何の問題もありません。また牛乳を飲めるようになりました」牛乳の調達はどのようにしていますか。まず、話を聞いてくれる農場に説明に出かけて、平均でざっと30%ほどの牛がすでにA2-A2の牛乳を生産できるのだということをお話ししました。お互いにメリットがあると思ってもらえたら、その農家と一緒になってA2-A2乳タンパク質の出る牛を探し出しました。現在取引のある農場は、北東部、カリフォルニア州南部、ネバダ州、ネブラスカ州にあります。これらの農場にもすべて、A2牛乳624ホーズデーリィマン第383号(2018)