ブックタイトルHoards Dairyman 2019_04

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Hoards Dairyman 2019_04

服部栄養専門学校は、米国乳製品輸出協会が新たに提携関係を構築した団体の1つである。理事長の服部幸應(右端)は、米国産の乳製品を素材に取り入れた栄養学と調理の授業を新たに開講した。写真はUSDECのヒサオ・フクダとデーリィマネジメント社理事長のマリリン・ハーシー(左)が業務提携について話し合う様子。人としくみとつながりを増やせ人材活用、しくみ作り、つながりの創生に多額の資金を投じながら、米国乳製品輸出協会は米国内にいくつもチームを立ち上げており、米国産乳製品の輸出拡大を目指している。ルド・ストレージ・シンガポール社での勤務経験がある。もう1つ、拡大著しい市場は中東・北アフリカ(MENA)諸国である。カリム・チャチャティとファイラス・ザーレディーンが新たに採用された。それぞれアラブ首長国連邦とレバノン在住である。USDECは、新たな戦力を迎え、さらにつながりの創生とプログラム作りを加速させることを目指している。さらに有能な人材の採用が、州や地方の酪農振興団体からの資金提供が増えたことにより可能になった。コーリーガイガーホーズデーリィマン編集マネージャー原点にはいつでも立ち返ることができる。ヒサオ・フクダにとっての原点とは、自らに与えられた使命すなわち米国の酪農家への奉仕である。「トム・スーバーは昔からよく知っています」米国乳製品輸出協会の会長を、発足以来21年務めたスーバーについてフクダはそう語った。「1990年代は地道に種を播くような時期でした」チーム一丸となって、米国産乳製品を日本で買ってもらおうと奔走した日々をフクダはそう振り返る。「振り返ってみてはっきりわかるのは、当時播いた種がようやく芽吹いてきたということです」フクダは彼がこれまで米国乳製品輸出協会(USDEC)と、かつて全米酪農理事会のコンサルティングを担当したユニフレックス・マーケティング社で取り組んだ仕事についてそう話した。フクダの尽力で米国産チーズが日本市場にもたらされ、日本がホエータンパク質を輸入するシステムが構築された。その仕事を皮切りに、かつて交換留学生として米国で学んだ経歴を持つフクダは米国農務省に入省し、牛肉の輸出に関するプロジェクトに携わった。「当時は、トム・ビルサック農務長官の資料の翻訳もしました」(フクダ)次第にその手腕が認められ、フクダは日本フードサービス協会の新CEOに推薦された。米国で似たような組織を挙げるなら全米レストラン協会がそれにあたり、会員数は50万人である。CEO就任後フクダは、外食率が50%に達する日本の食文化を詳しく探った。「フードサービス協会にいた頃、トム・ビルサックがUSDECのCEO兼会長になったことを知りました。驚きましたが、嬉しいサプライズでした。まさかビルサック長官とは…。日本へこそ、新CEOとして真っ先に来てほしいと思いました」そこでフクダは本人に直接オファーを出した。ビルサックはそれに応じ、日本フードサービス協会年次総会で講演を行うことになった。こうしてビルサックとの間に再びつながりができたことをきっかけに、フクダは原点であるUSDECの仕事をすることになった。折しもUSDECは「プラス5%」戦略を展開し、米国産乳製品の輸出量を総生産量の15%から20%に増やすべく取り組んでいた。そのためのプロセスとして、人材活用、つながりの創生、しくみ作りの3つの強化を目指していた。ヒサオ・フクダは組織としての拡大を目指すUSDECが戦力として採用した職員の一人である。日本と中国が世界の2大チーズ輸入国であることから、北アジア地域に注力しようとするのももっともなことである。マーティン・テオとスー・ヨン・リーも新たに採用された職員で、シンガポール在住である。2人にはピザハット・アジアパシフィック、パパジョンズ・インターナショナル、コー協働の意義つながりの創生が生む協働は、売上増の秘訣である。特に、製品の優れた点を広く周知したい場合はそうである。このようなケースは、カーブスという日本のフランチャイズ事業にも見られる。カーブスの利用者は酪農関係者ばかりではないが、タンパク質への関心は高い。このタンパク質を起点に、米国の酪農業とのつながりを生むことは可能である。カーブスは日本最大のフィットネスジムのチェーン店である。小規模で地域に密着したフランチャイズのフィットネスジムは女性専用である。顧客層の核をなすのは中高年女性で、QOL(生活の質)への関心が高まりつつあり、年齢層が高くなるほどその度合いも強い。日本人女性の平均寿命は87歳で世界一である。平均寿命が伸びた一因は、健康的な食生活やダイエットへの潮流を作った一般の人たちの存在である。しかし、日本の後期高齢者の女性の多くは介護施設を利用する。筋力も衰え日常生活に支障が生じるためである。そのような状況に至らないようにと、多くの中年女性が体を動かすことに取り組み始めた。それに伴い、女性のタンパク質摂取量は増え、筋肉量を維持、あるいは増やそうとする女性が増えた。カーブス利用者の多くは、ホエータンパク質を1日30g摂取できる、水に溶かしたプロテインシェークを飲んでいる。そのホエータンパク質は米国産である。米国産乳製品をさらに使ってもらおうと、USDECが行う「トレイン・ザ・トレーナー(トレーナー研修)」は、米国産乳製品に含まれるタンパク質には健康に年齢を重ねる効果があることを広く知ってもらうため、ジムのトレー176ホーズデーリィマン第387号(2019)