ブックタイトルHoards Dairyman 2019_05

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Hoards Dairyman 2019_05

なすべきことはまだまだある。生産者とメーカー双方が利益を確保するには、乳製品の輸出とチーズやバターの国内消費拡大が、酪農業界が再び黒字に転じる上で大きな役割を果たすと、マイケル・ダイクス国際乳製品協会CEO兼会長が語った。酪農業の目指すwin-winの拡大生産者乳価が低迷する中、米国の酪農業は総力を挙げた協力体制をとり、生産者とメーカーの双方にとって明るい未来が訪れるよう取り組んでいる。コーリーガイガーホーズデーリィマン編集マネージャー「米国の酪農業全体が総力を結集し、いかに協力体制を構築し酪農を前進させるべきかを探る取り組みを心強く思います」国際乳製品協会(IDFA)のCEO兼会長マイケル・ダイクスはそう語った。「IDFAとしても組織改革に着手しています。昨年秋の理事会において、管理組織の変更を決議しました。牛乳、チーズ、アイスクリームの3つの組織を統合してIDFAで一括管理することになりました」第34回酪農フォーラム(フロリダ州オーランド)の席上での発言である。「この組織再編によってIDFAの機動性が高まり、さらに包括的な取り組みができるようになります。また効率よく乳製品メーカーのあらゆる分野からの意見を集約できるようになります」「IDFA理事会の顔ぶれも新たになりました。理事会として特に注力する点は、協会に負託された責任を果たすべく運営に取り組むことです。今年の春には、乳製品5部門の理事会を立ち上げて方針の決定と遂行に移ります。飲用乳、アイスクリーム、チーズ、ヨーグルトと発酵乳製品、乳製品由来原料の5部門の理事会です」立場を越えた協力「酪農業全体から見ても、昨年我が協会は多くの実績を残しました。まず、IDFAと全米牛乳生産者連盟が歴史的な協力体制を構築したことによって、農業法におけるクラスⅠ乳価決定方式がついに大きく変わりました。3年前にIDFA会長に就任した頃には絶対に無理だと言われていたことが現実になりました。ようやくここまでたどり着きました。「『いずれか高い方を選ぶ』という乳価決定方式は間もなく姿を消し、新たなクラスⅠ乳価決定方式はさらにわかりやすくなります。遅きに失した感はありますが、生産者とメーカーの協力でようやく実現しました。理事会で聞いたところによると、先物価格を確定できるようになったことが、新機軸としてさらなる発展を促す要素のようです」飲用乳はなお要注意その他に牛乳加工教育プログラム(MPEP)とFeeding America(米国最大の飢餓救済団体)とも連携するIDFAは、米国農務省の認可を受けて最大1億3,500万ドル分の低温殺菌乳とチーズを全米フードバンク(品質上問題はないが市場への流通が不可能になった食品を生活困窮者などに配給する活動を行う団体)から購入している。その結果、9,473 klの生の飲用乳が2018年10月からフードバンクに届けられている。「農務省から、2019年度分としてさらに飲用乳を購入する計画が発表されると思います」(ダイクス)「飲用乳に関する朗報はそれだけではありません。IDFAは、農務省やパーデュー長官、G.Tトンプソン議員(共和党/ペンシルベニア州)にも働きかけ、学校給食にフレーバー付き低脂肪乳を復活させるべく規制を変更することを目指して取り組みました」チョコレートミルクの学校給食での復活には特に力を入れた。「学校給食からフレーバー付き無脂肪乳が消えて8年が過ぎました。それによって牛乳が消費量の点で被った損害は一時的なものにとどまらず長期的にダメージを受けました」「酪農業界全体に混乱が生じています。飲用牛の販売量減少については、2009年以来、話題に上らないことがありません」「飲用乳の消費量はこれまでの10年間で約18%減少しました。牛乳をかけるだけのシリアルの売上も21%減少しています」これまで何十年もの間、共に販売量を支え合ってきたシリアルと牛乳の組み合わせに触れながらダイクスはそう語った。「この状況が生じたのは、牛乳の特徴やシリアルの長所とはほとんど無関係です。すべて消費者の生活習慣の変化に原因があります。現代人はあまりに忙しくなりすげて、一杯のシリアルを食べる時間の余裕すらなくなったのです」「数年前のニューヨークタイムズ紙の記事によると、ミレニアル世代(2000年前後に生まれた世代)の40%がシリアルは朝食には不便だと考えているそうです。片付けるのが面倒だからというのです」「それほど面倒でしょうか」ダイクスは声に力を込めた。飲用乳は、決してお先真っ暗ではない。「飲用乳は95%の家庭が購入しています」デーリィ・マネジメント社の国際イノベーションパートナーシップ担当上級副会長ポール・ジムニスキーはそう話す。「牛乳を手に取る機会は減っています。1987年には、飲料消費量の18.9%が牛乳でしたが、2017年には8.3%にまで減りました」「地ビール作りに力を入れたビール業界は大いに活性化しました」(ジョン・ルーシー:ウィスコンシン大学マディソン校酪農研究センター所長)「CLA(共役リノール酸)を増や232ホーズデーリィマン第388号(2019)