ブックタイトルManual of Foot Care in Cattle 2nd edition

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Manual of Foot Care in Cattle 2nd edition

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概要

Manual of Foot Care in Cattle 2nd edition

第1章序説跛行は最も一般的で損失の大きい乳牛の臨床疾患の一つである。原因として次のようなものが挙げられる。1)蹄が摩耗しやすい固くて濡れた床での拘束2)横臥や休息の時間が取れないか制限されている飼養環境3)糞尿スラリーに肢が長期間にわたってさらされる飼養環境4)ルーメンアシドーシスを助長する飼料と給餌環境5)平坦で滑りやすい床6)跛行の発見と治療の遅れ7)不適切な削蹄8)時機を逸した削蹄スケジュール。跛行とは何か、その発症要因と過程、とるべき処置を知ることは、生産損失および跛行とそれに関連する問題に起因する牛の損失を最小限にするために不可欠である。第一章では、数多くの重要な跛行の根本原因を見直す。しかし、まずはこの疾病がどれほど一般的であるかを論じるため、跛行の発生を説明するのに用いられる用語を解説する。有病率(prevalence)と発生率(incidence)という用語は、疾病の発生または病状を表す場合に同じような意味で使われることが多いが、実際には全く別物である。したがって、跛行データと情報をよりよく解釈できるよう、これらの用語の違いの説明に紙面を割くこととする。有病率の計算と解釈有病率は基本的に「時間で切り取ったスナップショット」評価である。牛群内の全跛行牛の頭数を牛群全体の頭数で割ると、牛群の跛行有病率が得られる。たとえば、跛行とわかった牛が20頭で、それを牛群全体の頭数(100)で割ると、有病率は0.20(20%)である。跛行の90%は肢から始まる。跛行の90%が後肢に見られる。有病率はある状態の蔓延度を知るのに大いに役立つが、牛群における跛行の正確な指標あるいは予測判断材料としては限界がある。まず、検出の精度やレベルに左右される。検出レベルが極めて高精度(跛行牛によく気付く)な牛群では、有病率はかなり高くなるだろう。検出レベルが低い(跛行牛を見逃す傾向にある)場合、または跛行に対する許容度が高い場合、有病率は過小評価される可能性があ後肢の跛行の70~90%を外蹄が占める。7