ブックタイトルHoardsDairyman 増刊号2015

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HoardsDairyman 増刊号2015

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HoardsDairyman 増刊号2015

第1章第1部-乳房炎を理解する乳房内の感染症乳房炎を理解するには乳房の解剖学的構造を理解することが鍵となる。乳房の解剖学的構造乳房の解剖学的構造乳房牛の乳房には4つの異なる分泌腺または4つの区画(分房)がある。分房は支持靭帯によって隔てられ、この靭帯が大重量の乳房も支えている。強い支持靭帯が不可欠で、乳房が高い位置にあるほど清潔な状態が維持される。牛乳も微生物も一つの分房から他の分房へ直接通過することはない。乳頭管を通って牛乳が出て、細菌が侵入する。1つの分房に乳房炎があっても、他の分房は極めて健康な場合がある。このように乳房の健康状態、乳量および乳質は、同じ牛でも4つの分房で異なる。分房各分房は、乳頭槽を含めた乳頭、乳腺槽、乳管、および牛乳分泌組織で構成される。乳房を主に構成しているのは牛乳分泌組織で、主に牛乳を生産する数百万の乳腺房から成る。乳房炎はこれらの海綿状の分泌組織に永久的なダメージを与えるおそれがあり、これらの組織は後に牛乳を生産しない硬い瘢痕組織になる。牛乳は1日中作られるため、乳腺房が膨張する。牛乳は乳管を通って排出され、乳腺槽と乳頭槽に入る。乳房乳腺房各乳腺房には、牛乳生産に必要な材料をすべて含む血液を運ぶ動脈から栄養供給される。乳腺房の内壁は牛乳生産細胞である上皮細胞の単一層によって覆われている。それぞれの細胞は血液で運ばれた材料を牛乳成分へと変化させ、脂肪酸は乳脂肪、アミノ酸はタンパク質、そしてブドウ糖は乳糖になる。白血球や他の身体防御機構の成分も血液を通って乳腺房へ運ばれる。分房乳房炎はどのように発生するのか?乳房炎は分房内に定着しようとする細菌と、侵入者を排除したい牛の免疫系との戦いである。多くの要素が細菌の定着する能力に影響する一方で、その他の要素は牛の免疫系が感染症と戦う能力に影響する。これらの要素すべてがこの戦いを左右する。乳腺房6